今回は、2020年のハンガリーオープンでダブルス優勝を収めるなど、ダブルスの名手ともいえるベネディクト・デューダ(ドイツ)を紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても触れていきます。
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ベネディクト・デューダとは?
2018年のスウェーデンオープンでは張本智和(木下グループ)を4-2で下し、今年のハンガリーオープンでは、丹羽孝希(スヴェンソン)を4-0のストレートで倒しています。丹羽戦の後の張本智和との対決では2-4で敗れているものの、今勢いに乗っている選手の1人です。
それでは男子卓球強豪国、ドイツの若手選手として活躍するベネディクト・デューダのプロフィールを見ていきましょう。
プロフィール
ベネディクト・デューダは、1994年4月4日生まれの25歳(2020年3月時点)です。2014年からドイツ・ブンデスリーガで プレーし、TTCシュワルベ・ベルグノイシュタットに所属しています。長身を活かした中陣からのプレーが持ち味の選手です。
ジュニア時代から頭角を現しており、2012年の世界ジュニア選手権ではシングルス、ダブルスともにベスト8入りを果たしました。ダブルスでの実績も高く、2015年のドイツ選手権の優勝をはじめ、2015年のジャパンオープンでは準優勝し、今年のハンガリーオープンでは見事に優勝を収めました。
邱党とのダブルスにおいては2019年ジャパンオープン、ドイツオープンの決勝では中国ペアに惜しくも敗れたものの、準優勝を飾っています。邱党は現在では数少ない右ペンホルダーの使い手で、木下グループに所属しています。ベネディクト・デューダとは右利きと左利きの息の合ったプレーで数々の結果を残しています。またフランチスカと組んだダブルスでも、ダブルス巧者の実力を遺憾なく発揮し、直近の2020年ハンガリーオープンで優勝しています。
ベネディクト・デューダの活躍はダブルスにとどまらず、シングルスの世界ランキングも順調に伸びてきており、2020年3月時点で自己最高ランクまであと1まで迫っています。
プレースタイル
ベネディクト・デューダの戦型は左シェーク裏裏の攻撃型で、長身から繰り出される威力のある両ハンドが特徴的な選手です。自分から積極的に両ハンドで攻撃を仕掛け、得意のフォアで仕留めることが多いです。しかしバックハンドも威力があり、中陣からでもパワーを落とすことなく引き返すことができ、脅威となっています。
またサーブに関しては基本的に順横回転のサーブを用いていますが、要所で出すygサーブは回転が読みにくく、バックへのロングサーブやミドルからフォア前へのショートサーブを巧みに出し分けるため、対戦相手はこのサーブに苦しめられています。
ygサーブは男子では習得している選手が多く、ベネディクト・デューダと同じく左利きの選手では、ドイツのティモ・ボルや日本の水谷隼がこのサーブを使用しています。逆横回転のサーブであるため自分のフォア側にボールを集めやすくなり、フォアで攻める展開を増やすことができます。またサーブの回転量を多くすることができるため、ファオサーブほどボールが曲がるわけではありませんが、このサーブをおりまぜることで相手を惑わせたりレシーブを甘くすることができます。
使用用具
ベネディクト・デューダは用具にVICTASの製品を使用しており、ラケットは「Koki Niwa」で、ラバーはフォア面に「V>15 Extra」、バック面も同じく「V>15 Extra」を使用しているようです。
世界ランキング
ベネディクト・デューダの現在の世界ランキングは36位(2020年3月時点)で、2018年7月に記録した自己最高ランクの35位に迫る勢いで上昇しています。ドイツ国内ではティモ・ボル、ドミトリ・オフチャロフ、パトリック・フランチスカに続く、4番手につけています。
国際大会での主な戦績
2012年 | ジュニア世界選手権 | シングルス・ダブルスベスト8 |
ドイツ選手権ジュニア | ダブルス優勝 | |
2015年 | ドイツ選手権 | ダブルス優勝 |
2016年 | ベルギーオープン | シングルス3位 |
2016年 | オーストリアオープン | シングルス3位 |
2019年 | ジャパンオープン荻村杯 | ダブルス準優勝 |
2020年 | ハンガリーオープン | ダブルス優勝 |
まとめ
シングルスだけでなくダブルスでもその実力を発揮しているベネディクト・デューダ。今後のドイツを背負っていくであろう逸材である左腕から目が離せません。