写真はタマス社の「スレイバー」
タマス社のラバー「スレイバー」は、1937年発売のロングセラーの卓球ラバーで、高弾性高摩擦ラバーの代名詞といわれます。日本製でありながら世界のプロ選手に愛用され、数々の結果を出し続けてきました。「スレイバー」にはどのような特徴や性能があり、どのような選手に適しているのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
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スレイバーとは?
スレイバーとは、タマス社のバタフライというブランドから1967年に発売された、世界的に有名な日本製ラバーです。世界中の選手に使用され、公式情報としては2000年代に入ってからも2007年ヨーロッパ選手権大会 男子シングルス優勝という実績を残しています。
高弾性高摩擦ラバーの代名詞といわれ、卓球そのものに大きな変化をもたらしました。その後、長年にわたって世界中のプレーヤーに愛用され、ロングセラーとして定着し、多くのタイトルを獲得してきました。ノングルー時代、プラスチックボール時代であっても、中級者までのプレーヤーには扱いやすく、未だに人気を誇っています。
スレイバーは、裏ソフトラバーであり、タマス社基準でスピード10、スピン8、スポンジ硬度38、スポンジ厚はMAX、トクアツ、アツ、中、ウスの5種類があります。
その特徴を端的に言えば、スピードとスピン、放物線を描いて飛んでいく打球にあります。
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スレイバーの特徴
スレイバーの卓球ラバーとしての特徴を詳しく見ていきましょう。
●スピードに長けている
一番のスレイバーの特徴は、スピードとスピン、そして放物線を描いて飛んでいく打球にあるといわれています。一部のレビューでは、どちらかと言えば回転よりもスピード性能が高いといわれています。
●高いグリップ力
高いグリップ力も特徴です。回転量の強さを支えているのは高弾性高摩擦ラバーとして評価の高い、コシのあるシートにあるといわれます。
●摩擦力と破壊力
摩擦力にすぐれ、回転を促す仕様になっています。その回転性能から多大な破壊力を持ち、相手のブロックを打ち抜くパワーを秘めています。攻撃的な選手にぴったりのラバーです。
●抜群のコントロールしやすさ
いくつかのレビューでも、「コントロールしやすい」という声が挙がっています。初心者から中級プレーヤーの扱いやすさがあるといわれます。
●スレイバーEL、スレイバーFXの展開も
スレイバーには、スレイバーEL、スレイバーFXといったシリーズ展開もあります。
スレイバーELは破壊力と安定性を兼ね備えたスレイバーとされており、その高弾性スポンジは硬すぎず、軟らかすぎないという絶妙な硬さを実現しているといいます。つまり破壊力と安定性をバランスよく両立しているラバーです。一方、スレイバーFXは安定性が優れており、幅広い選手に使いやすいスレイバーです。スピードとスピンに優れたスレイバーの破壊力は健在で、それに加えて、より高いコントロール性能と安定性が追求されています。特にスレイバーFXで特徴的なのは、軟らかいスポンジを使用していることから、安定性が優れている点にあります。攻撃派であると同時に、守りも固めたいというプレーヤーに向いています。
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スレイバーに向いているプレーヤー
スレイバーは、どのようなプレーヤーに向いているのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
●初心者プレーヤー
基本的に、コントロールもききやすいことから初心者にとって扱いやすいラバーです。また、放物線を描いて球が飛んでいくため、ドライブの基礎練習になります。回転はテナジーなどほどはかからないものの、いい回転をかけることができるといわれます。
●スマッシュの得意なペンホルダープレイヤー
一部レビューでは、スマッシュもやりやすいという声が挙がっていることから、スマッシュが得意なプレーヤーや、ペンホルダーのプレーヤーにも向いているといわれます。
●中級までのプレーヤー
コントロールしやすいということは、中級程度のプレーヤーにとっても使いこなしやすいラバーであるということです。ドライブを安定させつつも、さまざまな攻撃を駆使したいというプレーヤーにおすすめです。
まとめ
スレイバーはスピードと破壊力を誇り、とても優れた性能を持ちつつも、放物線を描いて飛んでいくために、初級プレーヤーに向いているといわれるほど扱いやすいラバーです。もちろん、世界トップレベルの選手を成功に導いた実績もあるこのスレイバー。現在はノングルー対応の飛距離の出るラバーが人気ですが、そのようなラバーをまだ使いこなせない、あらゆる中級レベルのプレーヤーにも活用されています。